おすすめできる敷布団と選び方

敷布団を包む側生地。側生地に使われる素材から敷布団の寝心地を考えよう

2017.12.20

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「寝心地のいい敷布団で眠りたい」
そんな願いをかなえるために、敷布団は時代とともに進化しています。
木綿や羊毛・ポリエステルなどわた状の繊維を詰めた敷布団から、ウレタンや立体構造の樹脂素材など固形の敷布団、需要に合わせた新しい加工を施したものまで様々です。
寝心地の決め手は、やはり中身となる素材。

敷布団を選ぶとき、どんな素材が使われているかは重要なポイントですよね。
では、側生地についてはいかがでしょうか。
側生地は「ガワキジ」と読み、敷布団の中の素材を直接包む布のことです。
通常は敷布団の一部として初めから付いているので、特に選ぶという感覚もなく使われることが多いのではないでしょうか。

でもこの側生地、実は敷布団の寝心地や肌触りに大きく影響するのです。
それは、中材となる素材との関係に理由があります。
つまり中材の良さを、活かすも活かさぬも側生地しだい、とも言えるのです。
そんな側生地素材の種類や特徴から、敷布団の寝心地について考えてみましょう。

昔ながらの敷布団は、詰め物と側生地が一体化して敷布団になる

昔ながらの布団

敷布団の中材を直接包むのが側生地ですが、カバーとの違いは何でしょうか。
そもそも何故、カバーではなく「側生地」というのでしょうか。

「カバー」という語を調べると、包んだり覆ったりするものとあります。
多くの場合、カバーする対象を汚れや傷から守るために使いますよね。
ということは包まれる整品にとって、カバーは絶対に必要なものではありません。

対して「側」という語を調べると、周りを囲むものとあります。
側生地は詰め物の周りを囲む布なので、詰め物と一体化してはじめて整品となります。
つまり敷布団にとって側生地は、なくてはならないものなのです。

例えば、木綿の敷布団は側生地と木綿のわたで構成されています。
作り方を大まかにご紹介しますね。

まずは側生地の布を中表にして袋状に縫い、その上に木綿わたを置きます。
体の重みに合わせて木綿の量を調整しつつ全体に広げたら、わたが中になるように側生地をひっくり返して端を閉じます。
最後に側生地と木綿わたを固定するために、表面から数か所綴じて出来上がりです。

このように木綿の敷布団は、木綿わたを側生地で囲んで一体化することで完成します。
羊毛やポリエステルわたも同じです。
中にわたを詰めて作る昔ながらの敷布団では、側生地でわたを包むことでようやく敷布団になるのです。

 側生地の役割は、中材の良さを邪魔しないことと足りない部分を補うこと

敷布団の中材となる素材には、それぞれ特徴があります。
例えば、木綿は保温性と吸水性の良さが特徴です。
木綿の繊維は中が空洞になっており、さらに自然な捻じれがあるので、ここに空気を含んで暖かく、汗をかいてもしっかり吸収してサラッとした感触で眠れます。

同じく天然繊維の羊毛は、保温性・吸水性とともに放湿性にも優れていることが特徴です。
羊毛の繊維は縮れたようならせん構造なのでここに空気を含むことで暖かく、さらにウロコ状の表面が水分を吸収しつつ空気中へ発散させる働きをします。
しかも水分を含むと発熱する吸湿発熱の性質もあるので、湿気を含んでもじっとり冷たくなるのではなく、逆に暖かくなるのです。

こうした天然繊維の良さを活かすには、側生地は素材の機能を邪魔しないことが大切です。

このように木綿や羊毛などの天然繊維は優れた機能をもちますが、一方で厚みを増すと重くなるという欠点があります。
この重さの問題を解消するために生まれたのが、ポリエステル繊維の敷布団です。
ポリエステルの特徴は、何といってもクッション性の高さとふんわりした軽さ。
天然繊維と違い、たくさん詰めても重くないので扱いやすいのが長所です。
ただ繊維の構造上、水分を吸収できないので蒸れやすいのが欠点です。

そのためポリエステルの場合は、素材に足りない機能を補うのが側生地の役割となります。
では、それぞれの素材にとってどんな側生地が適しているのでしょうか

 側生地に適した素材は、通気性に優れて肌触りが良く耐久性もあるもの

天然繊維の保温性や吸水性を活かすには、通気性に優れた素材が適しています。
また、いくら通気性が良くてもメッシュのような布地では中材がはみ出してしまうので、きめ細かい織りでなくてはなりません。
同時に肌触りの良さや耐久性なども大切な要素です。
こうした条件に適応した側生地素材は、同じく天然繊維の木綿です。

では化学繊維のポリエステルわたはどうでしょうか。
ポリエステルは吸水性や吸湿性に劣るので、この欠点を補うのが側生地の役割となります。
つまり吸水性に優れた素材の側生地と組み合わせることで、吸水性の低さを補うのです。
するとやはり天然繊維の木綿が、側生地の素材としておすすめです。

オーダーメイドや打ち直しをすると、側生地を自分で選ぶこともありますよね。
一口に木綿の布地といっても、織り方によって肌触りや風合いが違うので、色や柄だけでなく、織り方にも注目してみてください。
例えば、サテンと呼ばれる朱子織は高級素材として使われることが多く、光沢があって滑らかな肌触りが人気です。
また普段使いに重宝するのは、ブロードと呼ばれる平織です。
サテンに比べて滑らかさには欠けますが、丈夫なところは敷布団に向いています。

このように昔ながらの敷布団では、天然繊維の木綿が側生地素材としておすすめです。

化学繊維のポリエステル布地は耐久性に優れ、シワになりにくいのが特徴ですが、繊維自体に吸水性や吸湿性がほとんどありません。
そのためポリエステル100%の布地は、側生地としてはあまりおすすめできません。
せっかく中材で吸水性が良くても、表面の側生地で吸水しなければ汗で蒸れてべたついた感触になってしまうからです。
中材がポリエステルわたの場合は尚更ですよね。

でも現代では様々な素材の、新しい敷布団が登場しています。
実は、それにつれて側生地となる素材も、続々と新しい素材が使われているのです。

 新しい中材の側生地は、優れた機能で中材と一体化

昔ながらの敷布団のようにわた状の繊維を側生地で包むタイプの他、今はウレタンや立体構造の樹脂素材など、固形の敷布団も数多く販売されています。

こうした固形の敷布団は、中材のみでも敷布団の形を保つことができます。
多くの場合、このタイプの敷布団の側生地はカバーのように取り外すことができます。
そのため商品によっては、側生地と表記せずカバーと表記しているものもあります。

そんな新しい中材の側生地は優れた機能で中材と一体化し、さらに寝心地のいい敷布団へと進化させているのです。

 新しい素材の側生地で、中材の通気性を最大限に活かしつつ寝心地もUP!

例えばくじめ屋の「すごい敷布団スタンダード レッド」は三次元スプリング構造体のブレスエアー®が中材です。

押し返してくるような反発力で体を持ち上げ、寝返りのサポートをしてくれるので熟睡を妨げず、さらに体を面で支えて体圧を分散させます。
またインスタントラーメンのような形の通り、通気性は抜群です。
この三次元構造の通気性の良さを最大限に活かす側生地が、キュービックアイ®ピケです。

素材はポリエステル100%ですが、実はこの布地、昔ながらのポリエステル布地とは大きく違う画期的な布地なのです。
従来のポリエステル布地は吸湿性や吸水性がなく、蒸れやすいのが欠点でした。
通常なら側生地にはおすすめできない布地ですが、キュービックアイ®ピケは違います。

まず原型となるキュービックアイ®は、柔らかな弾力の糸で作られた表地と裏地を、適度な剛性の糸で繋げて作られた三次元立体編物です。
その構造自体、通気性の良さが特徴ですが、さらに側生地の表面はピケと呼ばれる縦方向に太めの畝を織りだした織り方で、空気の通り道を作っています。
裏面も通気性の高いメッシュなので、中材の通気性を最大限に活かすことができます。

また表面の畝は適度な弾力を持ち、横たわった体を優しく刺激する指圧効果もあるのです。
さらにカバーのように取り外せるので、側生地だけで洗濯も可能。
ポリエステルの吸水性の低さは、洗濯時には逆に乾きやすさにつながります。
立体構造のためかさばりますが、通気性がいいのでご家庭で洗っても大丈夫です。

このように中材の変化に伴って進化した敷布団は、新しい素材の側生地とタッグを組むことで、さらなる寝心地の良さを追求することができるのです。

 新しい素材を取り入れた側生地で機能性UP!

新しい側生地素材には、需要に合わせた様々な工夫を施されているものもあります。
例えばくじめ屋の「すごい敷布団スタンダード ホワイト」は肌に触れる側生地の表面に、新しい素材のテンセルTMを取り入れています。

テンセルは、樹木のユーカリを特殊な溶剤で溶かして作られる新製法の再生繊維です。
科学的な処理をしていないのでユーカリの植物繊維分子がたくさん残り、吸湿性・速乾性に優れているのが特徴です。
さらに、この速乾性の高さが汗に含まれるバクテリアの繁殖を防ぐので、その結果、化学添加物を使わずに消臭効果やダニ・カビの発生を防ぐことができるという優れモノ。

また繊維が柔らかくしなやかなドレープ性があるので、光沢感と同時に張りもあります。
ただテンセルには摩擦に弱いという欠点があるので、テンセル100%で使用するのではなく、耐久性のあるポリエステルと合わせて40%の比率で取り入れています。
ポリエステルとの混合はその吸水性の低さが、テンセルの速乾性を邪魔しないためでもあります。

このように新しい素材を取り入れて側生地の機能性を高めることが、敷布団としての寝心地の良さにつながっているのです。

 敷布団の寝心地を側生地から考えてみよう

昔ながらの敷布団と、新しい素材の敷布団。
素材の特徴や寝心地にはそれぞれ違いがありますが、共通するのは側生地の存在です。
敷布団は中材がどんな素材でも、側生地と一体化することで敷布団として完成します。
敷布団を選ぶとき、側生地から寝心地を考えてみるのもいい方法かもしれませんね。

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