おすすめできる敷布団と選び方

ウレタン敷布団の構造と特徴を解説。短所を補って上手に使いこなそう!

2017.12.20

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ウレタン敷布団についてどんな印象をお持ちでしょうか。
「低反発の寝心地が好き」
「高反発のデコボコカットが気持ちよさそう」
「ダニが繁殖できないから、アレルギーのある人にも使いやすい」
こうしたお声は、ウレタンならではの長所によるものです。

でも同時に、
「使ってみたいけど、通気性の低さが気になるのよね」
そんなお声もよく耳にします。
確かにウレタン敷布団は、通気性が高いとは言えません。
これはウレタンならではの短所です。
ではどうして通気性が低いのか、その理由についてはご存知でしょうか。

理由が分かれば、短所を補う対策を立てることができます。
長所を活かして上手に使いこなすために、ウレタン敷布団の構造と特徴を解説いたします。

ウレタン敷布団は台所用スポンジと同じ、プラスチック発泡体

ウレタン
ウレタン敷布団は、ウレタンフォームという石油化学製品から作られています。
原油から精製された物質を、樹脂化しながら発泡させたプラスチック発泡体がウレタンフォームです。

プラスチック発泡体というと、何だか難しそうですよね。
でもこれ、要するにスポンジ状の合成樹脂ということです。
ウレタンフォームの「フォーム」とは発泡した素材、スポンジのこと。
台所用スポンジも別名、キッチン用フォーム材、といいますよね。

実は台所用スポンジとウレタン敷布団は、どちらも軟質ウレタンフォームという軟らかいタイプのウレタンフォームに分類されます。
つまり台所用スポンジもウレタン敷布団も、構造的には同じなのです。
では、その特徴をみていきましょう。

 軟質ウレタンフォームは、内部の気泡を空気や水が通り抜ける!

プラスチック発泡体の構造は、大きく2つに分けられます。
内部の気泡が連続してつながっている構造と、独立していてつながっていない構造。

台所用スポンジもウレタン敷布団も、内部の気泡は連続してつながっています。

この気泡が連続した構造は、つながった気泡の中を空気や水が通り抜けることができます。
具体的には、台所用スポンジを思い浮かべてください。
ギュッと握ると、中の空気が押し出されて小さく縮みますが放せば元の形に戻りますね。
このように軟らかくて復元性のあるものを、軟質ウレタンフォームといいます。

軟質ウレタンフォームであるウレタン敷布団も、当然、同じ特徴を持っています。
まずは「内部に連続した気泡がたくさんある」ということ。
そして「その気泡は空気や水を通す」ということ。
すると、こんな疑問が浮かんできます。

「あれ?じゃあ通気性はいいんじゃないの?だって空気を通すんでしょ?」

そうですよね、空気を通す軟質ウレタンフォームから作られているのに、どうしてウレタン敷布団は「通気性が低い」と言われるのでしょうか。

 ウレタン敷布団の通気性の低さは、敷布団としての寝心地の良さと引き換え

軟質ウレタンフォームにはもう一つ、需要に合わせて加工できるという特徴があります。
製造過程で材料を調整すれば、密度や硬さ、性質などを変えられるのです。
同じ軟質ウレタンフォームなのに台所用スポンジとウレタン敷布団が違うのは、それぞれの用途に合わせて密度や硬さを調整しているからです。

台所用スポンジは食器を洗いやすいように、ウレタン敷布団は寝心地がいいように。
でも、この寝心地の為の調整と通気性の良さとは、そもそも相容れないものです。

敷布団には、横たわった体を受け止める厚みと弾力が必要です。
この厚みと弾力を生み出すために、素材の密度を高めて作られたのがウレタン敷布団です。
密度が高いということは、内部の気泡はごく小さなものになりますよね。
すると当然、空気が通り抜ける通気性は低くなってしまいます。

つまりウレタン敷布団は通気性と引き換えに、寝心地の良さを実現しているのです。

 高密度の気泡は通気性は低いが保温性は高い。夏は短所でも冬は長所です!

通気性は低くても、ウレタン敷布団の内部にはごく微小の連続した気泡が無数にあります。
この気泡内の空気は周囲の温度によって変わるので、寒い部屋に置けば冷えた室温でひんやりしますが体温で温められれば温かくなります。
しかも通気性の低さが温かい空気をすぐに逃がさないので、保温性も高いのです。

冬はこの特徴のおかげで、暖かく眠ることができます。
ところが、夏はこの特徴のせいで体温だけでなく周囲の熱まで溜め込み、蒸れて「暑い!」と感じてしまいます。

こうした夏の短所を補うには、ちょっとした工夫が大切です。
夏の間は、敷布団に熱がこもらないように日当たりのいい窓辺を避けて置いて下さい。
冷房で室内を涼しくしておくのもいい方法です。

でも、体温で敷布団が温まってしまうのは止められないですよね。
そんなときは、この短所を別の素材で補うのはいかがでしょうか。
汗を吸って蒸れを防ぐように、吸水性に優れてザブザブ洗える綿の敷パッドや、吸湿性に加えて放湿性にも優れた羊毛の敷パッドなどを、ウレタン敷布団の上に使いましょう。

夏の寝心地がずいぶん良くなると思います。
ちなみに肌に直接触れる部分は、綿や涼感抜群の麻のシーツがおすすめです。

 無数の気泡で温められた空気は、冷たい床に出会うと結露する!

ウレタン敷布団の長所として、ダニの心配が要らないことを挙げる方も多いですよね。
これはウレタン敷布団が、石油化学製品だからこその長所です。
原料が石油由来の製品なので、素材自体にダニを寄せ付ける要素がないからです。
また高密度に作られているため、内部にダニが入れません。
だから湿気を含んでも、それが原因でダニが繁殖することはないのです。

でも石油化学製品だからという同じ理由で、それが短所になる場合もあります。
無数の気泡で温められた空気は、一晩かかって寝汗や湿気をたっぷりと溜め込みます。
ところがウレタンには、天然素材のように素材自体に吸湿性や放湿性がありません。
そのため冷たい床に直に敷くと、天然素材よりも結露しやすくなるのです。

湿気たっぷりの温かい空気は素材に吸湿されず、直接冷たい床に出会います。
すると急激に冷やされた湿気は気体でいられなくなり、水分に変わってしまうのです。
そのまま放置すれば、かなり短期間のうちに床と敷布団双方にカビが発生するかも!

ちなみに、カビが発生する要素は湿気・温度・栄養源の三つです。
ウレタン敷布団自体は高密度なので、栄養源となるホコリや皮脂・フケや毛髪などは入り込めません。
でも、床面のホコリなどを完璧に除去するのは難しいですよね。
つまり湿気・温度・栄養源の全てが揃う床との接触面は、最もカビが発生しやすいのです。

いったん発生すれば、カビは菌糸を伸ばして敷布団内部にまで容赦なく侵入し、どんどん繁殖してしまいます。
そんなカビ対策としておすすめなのは、毎日ウレタン敷布団を立て掛けて空気に当てる、ということ。

「え?それだけでいいの?」
と驚かれそうですが、それだけで大丈夫です。
簡単ですよね。
立て掛けて空気に当てれば、床との接触面が乾燥します。
だから、これだけでもカビの発生を抑えることができるのです。

毎日は無理という場合も、できる限り頻繁に日陰で干して乾燥させてください。
直射日光を当てると変色したり熱がこもったりするので、必ず室内か日陰で干しましょう。
それも難しいようなら、敷布団の下にスノコや除湿シートを敷くのもいい方法ですよ。

 ウレタン敷布団には、需要に合わせた様々な製品があります。

軟質ウレタンフォームは材料を調整すれば素材の性質を変えられるので、需要に合わせて様々な整品を作ることができます。
低反発や高反発の素材は、この特徴を利用して作られています。
また圧縮して形状を変化させ、必要に応じた加工を施すこともできます。
例えば、表面をデコボコの波型にカットするプロファイル加工もその一つです。

 低反発素材は体圧分散性に優れるが、沈み込みと寒さに注意!

低反発素材は、元々はスペースシャトルを打ち上げるときの衝撃から人体を守るために開発されました。
ゆっくりした沈み方と復元力で衝撃を吸収する働きが、体にかかる圧力を分散します。
医療分野でも活躍する人気の素材ですが、独特の性質を持っているので通気性や湿気の他にも気を付けてほしいことがあります。

それは長所でもある包み込まれるような軟らかさ。
あまりにも軟らかすぎると寝返りが打ちにくくなり、熟睡が妨げられます。
必ず、沈み込みに配慮した製品を選んで下さい。
また低反発素材は気温が低いと硬くなるので、冬の室温管理には注意が必要です。

 プロファイルウレタンは、寝心地と通気性の両立を目指す!

ウレタンだからこその寝心地と通気性の両立を目指して開発されたのは、表面をデコボコにカットするプロファイル加工を施した整品です。

「気持ちよさそう」
という印象の通り、デコボコの山の部分が体を点で支えて体圧の分散を担当。
谷の部分は空気の通り道として、通気性の確保を担当しています。

このデコボコカットを高反発素材に施して単品で使う場合もありますが、他の素材と組み合わせて敷布団の芯材として使う場合もあります。

例えば、くじめ屋の『超軽量体圧分散三層敷き布団』(http://www.kujimeya.com/fs/kujimeya/siki11)は、ふんわり軽いというポリエステル綿の長所を活かすために、プロファイル加工のウレタンを芯材に使っています。

プロファイルウレタン

しっかりした寝心地なのに、重さは弊社の従来品「羊毛混三層敷き布団」の約40%の2.4kgと超軽量
その秘密が、デコボコカットのプロファイルウレタンです。
厚さ50mmの超軽量プロファイルウレタンが全体の軽さとともに、底つき感のない寝心地通気性を同時に確保しているのです。
また、この芯材と周囲を包むポリエステル綿は三層構造になるので、それぞれに空気を含み暖かく眠れます。
しかもポリエステルには防ダニ抗菌加工を施して、アレルギーのある方にも安心。
さらに綿100%の側生地が蒸れを防いで、サラッと爽やかな肌触りです。

軽さと寝心地、さらに通気性にも配慮した、使いやすい敷布団としておすすめです。

 ウレタン敷布団は短所も長所。短所を補って長所を活かそう!

ウレタン敷布団は長所が即ち短所にもなる、というのが大きな特徴です。
使いこなすには、初めから短所を軽減した商品を選ぶのも一つの方法ですし、ご自身でちょっとした工夫をしたり他の素材を上手に利用したりするのもいい方法だと思います。
ウレタン敷布団ならではの長所を活かして、理想の睡眠につなげていけるといいですね。

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